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「代償」と一点集中 2

前回の記事「代償と1点集中1」のつづきです。

 

本日は私の合格体験記とは比べ物にならない実績を「代償」を用いて達成された方のエピソードを紹介します。

 

その人は現在東進ハイスクールで古文の講師を勤められる吉野敬介さんです。

 

私が高校3年生の受験生時代(1999年当時)は暴走族あがりの古文講師として、在籍されていた代々木ゼミナールだけでなく、予備校業界全般で広く名を馳せられました。その後、代ゼミを退職し、吉野塾を開講されましたが、現在は再度予備校講師として東進ハイスクールで活躍されます。

 

では彼がいつどんなタイミングで「代償と一点集中」を為されたか? 

 

それは代ゼミの古文講師として10年間ナンバーワンの座を守ってきた後の11年目に入ろうとしたとき。予備校では11年目のジンクスと言われ、どれだけ人気講師になろうとも、それは10年間がせいぜいで、それ以降は世代交代が行われるという定説がありました。

春期講習が始まる前のハワイに滞在中に、ふとその定説が頭をよぎり、以前に感じることのなかった弱気が芽生えかけたとのこと。

 

それがわかるエピソードを彼の著書から抜粋します。著書名は「今、変わらなければいつ変わるんだ やれ!」です。

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帰国して3月20日の春期講習の前々日。やはり家でタバコを吸いながら考えた。「ちゃんと生徒、来るのかな?」

 

というのも、しょっぱなの春期講習で大成功すれば、年間通して成功できる。そこで集まってくれた生徒たちは、その後もオレの授業を選択してくれる自信があるし、口コミで広がる。でも春期講習で人が集まらなかったら、その年はちょっと厳しいかもしれない。

 

そんなことを考えているときに、昔のスーツを破ったあの日のことを思い出した。それでいきなり思い立ったんだ。

 

「よし、俺はタバコをやめる!」

 

ある意味願掛けに近いものがあったんだが、前々から奥さんにやめろと言われていたというのもある。それで持っていたタバコを全部捨てた。歯医者に行ってヤニも全部取ってもらった。人にも積極的に言いまくった。これでもう後戻りはできない。でもこれで今後、タバコを吸いたいと思うたびに、俺は今日の日の誓いを思い出すだろう。

 

「俺は11年目以降も、絶対にNo.1の講師の座を守り続けて見せる!」

 

禁煙のキツさは予感していたが、実際にやってみたら想像していた以上の厳しさだった。夜中にタバコを吸う夢を見て、ショックでハッと目が覚めたことだって何度もあった。でもそれくらいのキツい思いをしないと、俺はトップを取り続けることなどできないだろう。そう言い聞かせた。そんな状態が2ヵ月くらい続いて、ようやく安定してきた。

 

あれから6~7年は経っているので、もうタバコを吸うことはないと思うが、それでも未だに飲み屋でうまそうに吸っているヤツなんかをみると、たまにちょっとだけ吸いたくもなる。でもそのたびに、俺はあの日の誓いを思い出すことができるんだ。

 

そして俺は、その後退職するまで16年間、本当にNo.1の座を守り続けることができた。

(同書より抜粋)

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いかがでしょうか。

 

代償の矛先が、No.1講師の座を守るという一点に集中(凝縮)されている様(さま)が如実に表れます。

 

古文という科目は、他の科目に比べれば、ライバル講師は少ないかもしれません。しかし過密な競争を制し、No.1を取りつづけることは、本当にたいへんなこと。それを6年間も維持したことは、本人が言われるように、代償を捧げたからこその産物だと思います。

 

彼の「代償」論をもう少し覗きます。

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こうした決意や信念を記憶に刻み付けるために、常に意識しておけるように、そのためのモチベーションとして犠牲を作る。そういうことをしなくちゃいけないほど大切な時期というのは、誰にも必ずあると思うんだ。

 

でもそのときに、どうせ犠牲にするのなら中途半端は一切なし。徹底的にやらないと、忘れてしまうようなものではわざわざ犠牲にした意味がない。そして四六時中、犠牲にしているんだという悔しい意識が働き続けるから同時にその意味を考えさせられるし、頑張れる。

 

俺にとっては、それが成人式だったし、タバコだったんだ。酒はやめられても、タバコはやめられないと思っていた。だからこそ、タバコを選んだというのもあったほどだ。

 

犠牲にしたことの意味について考えなくても、怒りや禁断症状なんかで嫌でも考えさせられてしまうような、そういうものを犠牲にしないと意味をなさない。

(同書より抜粋)

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いかがでしょうか。

 

吉野さんの「代償」論が、あなたの "ここぞ" というときに、または "毎日" の参考になれば幸いです。

 

吉野さんが言われるように、身をもたげるような怒りや禁断症状が、あなたの "なにか" を達成せしめるかもしれません。

 

「代償は味方」

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用・参考文献

吉野敬介著「今、変わらなければいつ変わるんだ やれ!」