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「腸」は第二の脳

数年前からテレビ番組を中心に「腸活(ちょうかつ)」「腸内フローラ」という言葉が使われ始め、私たちの生活に身近になってきました。書店の健康本コーナーでも「腸」に関する書籍やタイトルが目立ちます。それほど健康に対する「腸」の研究が各所で盛んに行われているということでしょう。

 

本日はそんな「腸」に関する「脳」との関連性をお届けします。

 

通常私たちのイメージする「腸」は、消化器官としての"それ"です。しかし最近の研究では、消化器官の役割に加え、まるで「脳」のように思考を司り、情報の処理や伝達を担う神経細胞が存在していることがわかってきました。

 

この神経細胞は、腸管神経系と呼ばれる独自の神経ネットワークを形成していて、脳からの指令がなくても、腸自(みずか)らが考えて活動するかのような働きをしているとのこと。この働きが「第二の脳」と言われる所以です。

 

また腸は肛門と一本の消化管でつながっているため、脳が緊張やストレスと受け取ると、その情報を腸に届ける形で腹痛や便意を催したりします。つまり脳→腸への情報伝達です。しかしさすが「第二の脳」です。最近ではその逆の腸→脳もありうると言うのです。

 

この脳と腸の情報交換は、以下の3つの機能を介して行われます。

 

免疫系(人体最大の免疫器官=腸には体全体の半数以上の免疫細胞が存在)

内分泌系(ホルモンの分泌)

神経系(自分で考えて活動できる=腸管神経系が存在)

 

腸→脳への情報伝達ルートで、最近もっとも注目をされているのが「迷走神経」です。腸→脳へ伝達される情報量は、脳→腸へ伝達される情報量よりも多いと言われ、脳は腸から送られてくる情報に大きな影響を受けると考えられています。

 

さらに昨今の研究で、この腸→脳への情報に、腸に棲み付く微生物(腸内細菌)の存在が大きく影響をしていることがわかってきました。どういうことかと言うと、一例では、腸に棲み付く微生物(腸内細菌)が多いか少ないかで、ストレスの耐性が変わるということです。これは実際にマウスの実験で明らかになったことです。

 

無菌マウスと通常のマウスで、ストレスチェックをしたところ、通常のマウスの方がストレス耐性が高く、無菌マウスの方が不安や多動などストレス耐性が低くなりました。

 

ということは、私たちの人体においても同様の作用が行われるとして、腸に棲み付く(好影響を及ぼす)微生物(腸内細菌)を増やそうという取り組みがいわゆる「腸活(ちょうかつ)」です。(好影響を及ぼす)腸内細菌を増やすことで、ストレス耐性はもちろん、脳への好影響な情報伝達が可能になるという狙いです。

 

人と腸に棲み付く微生物(腸内細菌は)は1000種類以上で、その数はなんと100兆個以上にのぼります。これら腸内細菌は個々の菌が集まって複雑な微生物生態系を作っていて、それを「腸内フローラ(微生物群集)」と言います。

 

テレビ番組(健康番組)でも、先生が"腸内フローラを整えよう"などと言われますが、腸内フローラを構成する細菌は多種多様で、大きく以下の3つに分かれます。

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善玉菌(代表例:ビフィズス菌や乳酸菌)

悪玉菌(代表例:ウェルシュ菌ブドウ球菌大腸菌

日和見(代表例:バクテロイデス・連鎖球菌)

 

善玉菌は善玉と付くだけに腸の消化吸収や免疫力を上げる働きがあり、有害物質を体外へ排出してくれます。

 

悪玉菌は悪玉と付くだけに、腸内に有害物質を作り出します。悪玉菌が増えると便秘や下痢、心身の調子が悪くなります。

 

日和見日和見と付くだけに、善玉菌・悪玉菌のどちらにも属さず、そのときの優勢な菌に加担します。それゆえ、体が弱ると腸内で悪い働きをします。

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腸内フローラを整えるには、無論、善玉菌を増やすことが"それ"に当たります。善玉菌を増やすためには、「善玉菌を含む食品」「善玉菌の餌となる食品」を一緒に摂ることが大切です。

 

<善玉菌を含む食品>

発酵食品(ヨーグルト、納豆、漬物、味噌、チーズなど)

 

<善玉菌の餌となる食品>

食物繊維(野菜・イモ類・キノコ類・海藻類・豆類など)、オリゴ糖(玉ねぎ・ネギ・にんにく・アスパラガス・バナナなど)

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「腸は第二の脳」と言われますが、まだまだ解明できていないことは山ほどあります。しかし腸内細菌の中でも善玉菌を増やし腸内フローラを整えることが、腸→脳への情報伝達を好影響なものとし、脳の働きを活発にしてくれることは、ほぼ間違いないことだと思います。先に申した「迷走神経」については、脳→腸 より 腸→脳 のほうが、情報量が多いのですから。

 

また私の日常生活から、集中力がその(腸→脳への好影響の)最たる例です。腸が整っていれば集中力が発揮でき、私の場合、それが空腹か空腹に近い状態のときです。スポーツ選手やアスリートがよく食事に気をつけているという話がありますが、「食事に気をつけている=腸内フローラを整えている=善玉菌を増やしている」と考えれば、集中力の発揮度合いという点で、私の感覚もまんざらではないと推測します。

 

集中力が発揮できれば、俗に言う勉強も仕事も捗ること いわずもがなです。理解力、暗記力、分析力、判断力、決断力、行動力、コミュニケーション力、チームワーク、許す力・・等。すべて腸→脳に基づく集中力のなせる業(わざ)と言えなくもありません。

 

「腸」は第二の脳

 

腸に棲み付く微生物(腸内細菌)群、それを「腸内フローラ」と言い、腸内フローラは大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分類できる。その中の「善玉菌」が腸の消化吸収や免疫力を向上させ、有害物質を体外へ排出してくれる。それを「腸内フローラを整える」と言う。腸内フローラを整えれば、人体の健康機能だけでなく、ストレス耐性の向上、脳への情報伝達も好影響なものとでき、単純に気分がいいというのはその一つ。また私の感覚では、代表例として「集中力(の発揮)」があげられる。

 

「腸」は第二の脳

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

次回は「呼吸」についてお届けします。実は深呼吸や腹式呼吸など、深い呼吸は腸内環境を整えると言われていて、今回の「腸は第二の脳」と密接に関係します。つまりは「呼吸を整えることで、腸内環境も整い、それが脳への情報伝達を好影響なものとする」ということです。腸内環境を整えるアプローチは、(内容は違えど)食事からだけでなく、呼吸からのルートもあるということをお伝えします。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用・参考記事

institute.yakult.co.jp