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ビットコインと法定通貨

2ヵ月前にある国がビットコイン法定通貨にしたというニュースがありました。あなたもご存じかもしれません。はて、ビットコイン法定通貨となり得るのでしょうか?

 

法定通貨とは日本でいえば中央銀行にあたる日本銀行(以降日銀)が、自国の通貨を発行できる「円」をそれと呼びます。ユーロ圏でいえばユーロ、アメリカでいえば「ドル」でしょう。その法定通貨ビットコインが取って代わることは今のところ皆無というのが私の考えです。理由はビットコインの発行枚数は2100万枚と上限が決まっているからです。この上限が希少価値を生ませ、それが「金(きん)」と同様として「デジタルゴールド」と呼ばれています。

 

では「円」は発行枚数が決まっているでしょうか?ご存じの通り目下、現在でも日銀がお金を刷っています。例えば去年の定額給付金で一人あたり10万円を配布した際は、3兆円の国債を発行したといいます。このように必要とあらば財政政策(財政出動)の一環で赤字国債を発行することは(自国建ての通貨で国債が発行できる)法定通貨の大きな特徴です。

 

ではビットコインにそれができるでしょうか? そうです、できません。発行ペースも上限(2100万枚)も限られています。もし上限に達すればそれ以降は発行済みの中でやりくりしなくてはなりません。コモディティといっしょで希少価値は担保されますが、デフレの脱却には とんと弱くなります。

 

現在の日本はデフレと言われ、お金が世に出回っていません。言い方を変えれば供給に対して需要が少ない状態です。よって皆がお金を銀行に預け、商品やサービスの購入にお金が使われていません。もちろんNISAやiDeCoなどで投資熱は高まっていますが、全体でいえば預貯金が1000兆円超、株式は195兆円、投資信託は84兆円の規模間です。

 

こんなとき(デフレ時)こそ、前回の記事(定額給付金10万円)でも書きましたが、ケインズ政策よろしく、公共投資等で民間にお金を供給しなくてはなりません。逆に景気が過熱しているインフレ時は、公共投資等を控え、市場原理(競争原理)に任せることが必要です。それが奏功したのがイギリスのサッチャー政権のときでしょう。競争が激化すれば、競争からこぼれ落ちた会社や個人が職を失い、少しずつ景気の過熱が冷めるからです。

 

ビットコインはデフレ時に弱く、国の財政出動を可能としません。民間にどんどんお金(ビットコイン)を供給しなければならないときにそれができないのですから、金融政策に頼るしかなくなり、金融政策(ゼロ金利政策など)だけではうまくいかないのは、アベノミクスが教えてくれました。

 

とはいえ、私は暗号通貨の普及に期待を込める者です。インターネットが「C to C」 のビジネスモデルを加速したのと同様に、お金のやり取りも中央政権と距離を置く「C To C」を加速してもらいたいと思っているからです。

 

しかし見ていただいたように、デフレのときは「合成の誤謬」と言い、国民が合理的な行動を取ればとるほど、財政出動の重みは増してきます。デフレ時は貨幣(お金)の価値が高まるわけなので、買い物をしなくなります。会社も売り上げが下がるため設備投資や各種の投資に消極的になります。この状態の個人や法人を誰も責められません。皆が(ミクロでは)合理的な選択を取っているからです。しかしマクロではデフレが促進されます。その「合成の誤謬」を修正するのがアベノミクスでいう「3本の矢」だったのですが、2本目の矢「財政出動」と3本目の矢「成長戦略」が弱かったため、残念な結果に終わりました。

 

財政出動と言えば、日銀がジャブジャブお金を刷り、株式市場で「ETF」を購入しているのが現状です。この株価の下支えがあって現在の日本経済は株価の下落を免れ、雇用の維持や大幅な景気後退を回避できています。

 

ビットコイン法定通貨

 

世にお金が回らないとき、お金を回す役割は政府や日銀にしかできません。ビットコインが流通し、便利になればなるほど(ビットコインの)希少価値は高まります。高まれば供給に対し需要が減ります(つまりビットコインを貨幣とみなせば、貨幣価値が高まります)。そうなればデフレを招きます。

 

インフレのときは問題ありませんが、デフレのときに手立てがないのがビットコインの弱点です。しかし大手家電量販店や一部の店舗が採用しているように、ビットコインで決済が可能となれば、いちいち両替や為替を考えなくて済む面で、消費者にとっては便利です。

 

共存共栄ではないですが、私的にはテクノロジーに裏打ちした仮想通貨はまだまだ現在に浮き彫りになっていない可能性が秘められていると思い、資産の一部を投資として持ち続ける構えです。しかし法定通貨にとって代わるほどの期待は毛頭ないというのは、本記事で記した通りです。

 

ビットコイン法定通貨

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。